「スピーカー」歌詞ページ


「サムサッカー(お前の事だよ)」


おもちゃを探して遊ぶ

飽きたらさっさと捨てる

お前に中指立てる

達者な親指を狩る


簡単に神と名づける匿名の何某はフレーズを残したいが為に

尊敬を踏み躙って面白おかしく綴られた言葉を容易く流す

ゲスな親指を持つハイエナ共の群れは実態を持たない

意識の高い奴らと存在しない顔の奴らは乞食ばかりだ

世界の全ての知ったかぶりでは飽き足らず世の中の裏話で

飯を食い金を稼ぎ注目を浴びニュースの中心で名を馳せる

それをリアルタイムで見続けるサイコな傍観者達多数

にらめっこばっかやっていないでさっさと仕事をやったらどうだ


おもちゃを探して遊ぶ

飽きたらさっさと捨てる

お前に中指立てる

達者な親指を狩る


この世はまるで中世古代の闘技場のように騒がしい

観客席からヤジやら何やら投げつけるクソ人間ばかりで

殺せ殺せと叫んだり煽ったりばかりしては騒いでいるが

いざ死んだら何事も無かったかのようにダンマリを決め込んでいる

助けずカメラを向けて動画を売りつけるくらいのサイコパス共と

そんな記者気取りのサイコパスから特ダネを欲しがるメディア達との

金銭交渉はインターネット上で今日も絶えずに続いている

そしてコメントと共にやりとりはスクリーンショットで開示されてる


VとXの間で表すお前の狂った言葉の数々

お前のクソみたいなフレーズは痛すぎる14歳のセリフ

お前が言うなと言ってるお前の方こそ本当に気は確かか

自覚が出来ない奴ばかりがもてはやされている狂ってる世界

残酷な面白さしか提供しない血も涙も捨てている人間

たまに話すロマンチックな言葉から漂うのは嘘くさいオーラ

妄想はするが想像はしない神様ぶるニセ一般市民

やったらやり返すを繰り返す本当にクソダサい大人達


おもちゃを探して遊ぶ

飽きたらさっさと捨てる

お前に中指立てる

達者な親指を狩る


「清水地区定時町内放送」


町内放送 ハウリングするノイズ

松山城常設スピーカーから

夕方16時の定時放送

80小節 ただ管を巻く

言葉を吐くが輪郭は見えない

得にも損にもならない演説

聞き流しても特に問題はない

ハエの羽音の様な戯言


四方八方には監視カメラ

四六時中パトカーが警ら中

だが乗ってるのは私設警察

人権無視の捜査を得意とする

犯行現場はカメラで動画撮影

即座に編集後にテレビ局に売却

放映後言葉のリンチを煽り

逮捕状を請求して踏み込む


お金と地位と城を持った老僕

文明の利器を手にしてご満悦

画像加工されたクイーンにご挨拶

言葉以上に滲み出る気持ち悪さ

毎日のパーティーで記念写真

名の知れた人もそこに同席

庶民には食えない食事を喰らい

高いだけの酒をチビチビと飲む


ありがたられるインフルエンサー

使った品物はすぐに売れて

イメージキャラクターにもなった

だがずっとそれが続くわけがなく

自己満足の正義を振りかざす

擬態を得意とする捜査官

そいつが全部暴露した時に

村八分 石を投げられ流血


誰もが評論家にもなれるし

誰もがカメラマンにもなれるし

誰もがリポーターにもなれるし

誰もがタレントみたいになれる

それをもてはやす終わったメディア

フレーズを残したがるハイエナ

自慢して誇示をしたがるマニア

醜いチャンネルは2番と5番


青い鳥が飛ぶ交差点の上

顔は二次元 言葉は低脳

真顔で打つ言葉は気持ち悪い

それがニュースの見出しになってる

改行と句読点で見せてるセンス

知識自慢のヒューマンレース

絶望させるキラーフレーズ

人殺し専門のコピーライター


頼れる大人は居なくなってた

クソの中のクソだらけになった

先生も警官も政治家も

蓋を開ければ悪人だった

あいつもだった こいつもだった

知るたびに道を断たれたような

失望と絶望の繰り返し

いつからここはそうなったのか


疲弊して生きることが前提

すり減らして生きることが前提

煌びやかの圏外に居る前提

それは一体誰が決めたんだ

勝手に階級でまとめられて

三角形の底辺にされて

上に上がる条件をつけられて

大体お前は何様なんだ


勝手にその中の1人にされて

勝手に型にはめ込まれていて

「僕ら」の「ら」に含まれた気持ちは

不快過ぎてイライラが止まらない

はみ出し者ゴッコには混ざらない

祝祭空間に中指を立てる

嘘くさい語りには耳を塞ぐ

簡単に神と名づけたくもない


夕焼けの時間 灯りが灯り出す

帰り道の上を歩く人達

学生たちのデカい笑い声

急ぐ車の排気の匂い

町内放送 ハウリングするノイズ

定時放送終了の時間

17時にはサイレンが響く

俺の言葉よりデカいサイレンが


「迷彩柄の未来の話」


迷彩柄に染まる未来を想像してみよう


去年内閣が勝手に決めた

法律のせいで景色は変わり

CMではタレントがマシンガンを持ち

戦闘服を着て笑顔で踊ってる

ネット右翼がウヨウヨ湧いてる

我が物顔でスローガンをポスト

そいつらが身にまとう軍服は

昭和時代のビンテージらしい


瓦礫の街では非難の嵐

配られ続ける支援物資も

来たる日に備え数を減らされ

逆に支援を呼び掛けられた

お望み通りに事が進むから

タカ派の議員連中は笑顔だ

選挙の時には頭を下げて

議員になれば市民を見下ろす


かの国との対話のテーブルは

スレ違いと相違の連続で

遂に椅子を蹴り上げて退室

鶴の声ひとつ出動要請

近所の基地で鳴るスクランブル

貨物船で運ばれる戦車

携帯で出動を伝えて

黙々と準備をしている兵士


戦闘状態を知らされたのは

ワイドショー途中のファンファーレ

158機の戦闘機が

海上で空中戦を展開

すべての番組のセットは迷彩柄

タレントが明るい口調と笑顔で

「我が国は決して屈しません」

景気をつけるウソの拍手が起こる


戦争開始から2週間が経ち

求人サイトのトップ画面には

兵士募集の求人ページが

不定休6時から20時

就業場所は前線基地で

無資格無経験もOKで

手当も多く付けられている

月給25万円の命


パスワードでログインが必須の

交流サイトのスレッドを見る

戦地に向かった兵士の家族が

亡くなった時の状況を記す

廃墟に残る子供を見つけて

笑顔で抱えようとした時に

実はその子供は少年兵で

その子に蜂の巣にされてしまったらしい


だがその話は広まることはなく

都合の悪い情報は全て

国によって検閲と削除

時には開示請求と逮捕状の発行

軍の公式のアカウントからは

リアルタイムで流れる戦況

画像は銃を構える兵士達で

それを讃えてるのはイカれた人達


新聞は連日一面トップで

優勢である事を伝えるのみ

死んでいった人の数は知らせず

勝利に向かってなどとのたまう

しかし実際は戦況は悪化

減っていく兵士の対策が必須

遂に国民に出征命令

特別郵便で届く赤紙


争いは政治家共が始めて

若者が銃を撃っては死んで

女子供は戦車に潰され

老人達は首を斬られた

そして首長はシェルターの中

金を握りしめて隠れてる

核兵器の使用が決まるのは

それから数日後の事になる


ラジオからお気に入りの曲が流れる

しかし戦況ニュースで曲は断たれる

我が国の軍の戦況は上々だそうだ

それよりあの曲の続きを聴きたい


「緑町海賊放送開局日」


朝4時半集合場所は

緑町の劇場跡で

ドアを開けて機械を搬入

パラボラアンテナを広げる

システムにスイッチを入れて

通信状況を確かめる

今のところは問題はない

使うマイクは38マイク

外は寒く気温は0度

下品な族のバイクの音

まあ今は好きに騒いどけ

この後全部黙らせる

時計を合わせる123

6時ジャスト放送開始

音源の準備はできたか

熱いコーヒーで喉を開く


「放送開始1時間前 カッコいい音で街を染める その音が鳴ったその後に 世界が変わる事を願い」


朝帰りの学生2人

笑いながら家路を歩く

家に帰ったら寝るだけか

悪いが今日は眠れはしない

なぜなら今日は一日中

イカした音と声を流す

そのために練った計画が

立ち上がったのは2ヶ月前

街中何処に居たとしても

嫌でも聞こえて来るように

設置されたスピーカーはもう

俺らによってジャックされた

鋲ジャンボロパンで目出し帽

ぬぎっぱなしの安全靴

色がみんなおんなじだから

誰が誰のものかわからない


「放送開始10分前 今からこの街で流れる 音楽は全てハードコア 潰れたディストーションのギター 速いビートのドラムが鳴り ベースは汚く低い音 言葉も輪郭が分からない 叫んでいる言葉はノーウォー」


暁の光が窓にさす

みんなが慌ただしく動く

パーソナリティーが椅子に座る

やがてみんな配置についた

破れてるガイコツ手袋

手を広げて指を折り曲げる

3秒前に差し掛かった

その時ガラスが割れる音

アクリル製の盾と警棒

一斉に光る赤色灯

13人居る俺たちを

65人で確保する

5人がかりで押さえつけて

両手に手錠かけて連行

護送車の中にぶち込まれ

格子の窓にもたれかかる


「放送開始予定時刻 当局の介入で中止 全員確保の上逮捕 機材は全て押収され 俺たちの顔は晒されて 昼のニュースを独占する 頭の悪い評論家 知ってる顔で俺を語る 果ては知らない同級生 モザイクの顔でインタビュー 未知の友人は図々しい 俺の何を知ってるんだか 劇場跡の床に散らばる 機動隊のブーツの跡と 割れたマグカップのかけらと ハードコアパンクのアルバム」


「アンクールゴッド」


アンセムを作って

彼はカリスマになる

宗教はこうして

出来上がるみたいだ

ガキを扇動して

感情を揺さぶり

その果てで産むのは

迷惑行為のみ

おんなじ服を着て

おんなじ髪型で

おんなじアクセサリー

おんなじ靴を履く

その場だけの熱で

出来ない事を語り

手を繋いだら終わり

その後は何もしない


揃ってダンスして

同じところで飛ぶ

動画でやり方を

教わりやってみる

目の前のバンドに

目をくれる事もなく

暴れた回数を

終わりに自慢する

はみ出してるつもり

だったらやめときな

はみ出す覚悟すら

出来ないならやめな

お前の神様は

本当に薄っぺらい

嘘くさい言葉で

騙しに掛かってる


いつまでそこに居て

浸りきってるんだ

溺れちまう前に

這い上がって来いよ

でももう手遅れか

肩まで浸かってて

出ようとすらしてない

望んでそこに居る

じゃあずっとそうして

いちいち落ち込んで

デジタルの世界で

詩を書いて眠りな

不穏な言葉達

並べて悦に浸り

祝祭の余韻を

一生引き摺って

変われもしないのに

人に変われと言う

やれもしない事を

人には押し付ける

見下した目をして

含み笑いをして

寄り添う事はせず

突き放して離れる

お前のカリスマは

そういう時何を

するべきと言ったか

言葉を読んでみな

しょうもない言葉で

埋め尽くされてたら

お前のカリスマは

クソダサい奴だな


騙された気分はどうだ


©︎清水地区音楽製作所