アルバム「夜に浸りたいと思う」セルフライナーノーツ


リリースの経緯

当時自分はSoundCloudに曲をアップしておりました、勝手に既存曲をリミックスしたり、ラップの曲を作ってたりとかして、その果てには幻のファーストアルバムもSoundCloudに作っておりました、とは言えどアルバムとしてのアップができないので、プレイリストを組む形にはなったのですが…。
その勢いで今度は夜をテーマに曲を作ってアルバムとしてアップしようとして、毎日制作しては、アップして、曲が揃うまでは非公開にしてました。

かくして、目標の10曲が完成して、プレイリストを組み、いざ公開した…のですが、「すごく勿体無い」という感情が湧いたのです。

せっかく自分でも良いと思えるものが出来て、色んな人に聴いてもらいたいと思っても、自分のSoundCloudのアカウントで「聴いてください」とか、クソ勿体無いと思ったんです。
しかもTwitter新Xを辞めて3ヶ月、発信出来るのはInstagramのみ、Instagramのストーリーにリンクは載せれても、投稿には載せれず、プロフィールのリンクを踏まないと聴けない…。

だったらいっその事配信リリースして、全世界で聴けるようにしよう!と決意したのです。

その後すぐに配信代行の会社を探し、かなり良い所があったので、諸々の手続きをして、楽曲登録をして、パッケージ化して、晴れて10月1日にリリースとなりました。

ちなみに、幻のファーストアルバムは今後もリリース致しません、理由といたしましては、大半の曲は既存曲からのサンプリングをしており、リリースするにあたり許可が必要だからです。
またリリースしてない曲もSoundCloudにアップしていたのですが、こちらもこちらで、サンプリングというか、YouTubeチャンネルの音声を使っているのでまた、そちらはそちらで許可を得ないといけないので、リミックス曲共々闇に葬りました!

幻の1曲目・ドライブをしないかね

こちらはリリース前にYouTubeで披露した曲で、こちらが本当は一曲めなんです。
なぜパッケージに収められていないかについては、YouTubeの概要欄に記載しております。
https://youtu.be/KhSkWHFsd1I?si=WcT-mBT6RJwiBfkA

この曲は宇和島に居た時、地元の友人の家にドカドカと入り、給料入ったし、ガソリン代出すけんどっか行こうや、という時の感じを音にした感じです。
その友人の家は溜まり場になっていた上に、入れる所が2ヶ所あったので、自分含めて色んな友人は片方が閉まってたら、もう一方の入口から入ってました。

ブレイクビーツにファンキーなギター、ちょっと80年代なシンセの音がその場面の感じにぴったりな気がします。
ここから宇和島〜松山の静かで楽しい夜の始まりです。

1.とりあえず大州方面へ

どこに行く頭無く、ドライブに行く時は必ず「どっち方面がいい?」と聞かれました、自分はどうしても大州方面の方がワクワクしたので、我儘なのですが、「とりあえず大州方面かな」と言って、連れてってもらいました、まあ大州行ったとて何をするわけでもなかったのですが、たまにガスト行ってました、ジョイフルやったかな、一回店内全部掃除するんでって追い出された事がありました。

緩やかかつドンドンと鳴ってる四つ打ちのバスドラが、何もなくともワクワクする感じとリンクしてくれたら嬉しいです!

2.何かがあるかも

曲の最初に入っている女性っぽい声は、自分です、「Night」と言ってそれをサンプラーでいじくりまくった結果、女の人みたいな声になって、それでループを組んだら良い感じになりました!

この曲の特徴は、ベースの音がリードしてる感じと言いますか、終始それが続いて、音が重なっていくというものです、車の中で聴いたら、奇声を上げたくなるくらいにワクワクするなと思います!自分が!

とりあえず走り出して何かあるやもしれんな、という期待に拍車をかけるブースター的な曲です!

3.じゃあいつもの所で

この曲はジャジーなハイハットでかつ、バスドラの音もドンドンとした音ではなく、パタパタ鳴ってる感じにしてます。
なんて言うんですかね、埃舞ってる感じのバスドラにしたかったんですね。

こちらもベースがリードしてる感じなんですけど、歪んだベースの音が好きなんです、リズムとしてもリードとしても成立すると言いますか…デモテープ作成時代はベースをギャリギャリに歪ませて弾いてました。

曲の感じは「今日暇?マジで?じゃあいつもの所で◯時に!宜しく!」みたいなやりとりがあって、お気に入りの服を着て家を出る時の音楽って感じにしました!

4.ドリンクバーでコーヒーを

宇和島にジョイフルができた時は、宇和島ってこんなに若いやつおったんか、くらいに人が多く、圧倒された覚えがあります。
過ごし方的にはビール飲む人もいれば、飯食う人もいたりで、自分は飯の時もありましたが、大体ドリンクバーやった気がします、しかも当時カフェでコーヒー飲むのが好きとか言うてた記憶があります、言うても松山のサンタカフェでコーヒー飲んだくらいです。

音的にはなんかちょっと歪んだピアノとクソ歪んでバスドラが潰れてるブレイクビーツですね、ドリンクバーでコーヒー飲みながら、他愛も無い話をしている場面を思い返しながら作りました!

ちなみに二十代の時、松山のガストで飯かなんか食ってたら、謎のおっさんに「君、ハードコアは好きかい?」と声をかけられたことがあります!

5.そしてパンクスは歩きだす

松山に引っ越す前、引っ越してきた後は、自分でカスタムした鋲ジャンを羽織って、メタクソ太いディッキーズの黒い短パンを穿いて歩いていました。
シングルのライダースやったんですけど、鋲をつけたり修正液で文字やら何やら描いたりパッチを付けたり…最近は「別に自分はもうやらんでもええかもな」と思ったりしましたが、ちょっとばかり復活してもええかなと思ったりもします。

収録曲中1番バンドサウンドっぽい曲な感じがします、ベースの音がローポジションやなくてハイポジションの音にしてるのは自分的には珍しいです。

鋲ジャン着て、市内電車降りて星空JETTに行ってた時を思い出しながら作りました!

6.車窓'01

宇和島は静かな町で、夜になったらより静かになるんですけど、そんな町でも車に乗って窓から見る景色は煌びやかに見えたものです。
そんな感じを音にしてみました!

音的にはハンドクラップが入ってたりして、若干ファンキーな感じもありつつ、エイトビートのブレイクビーツも我ながら良い感じやと思います!

上物をけっこう悩んだ記憶がありますが、たまたま見つけた音色がノスタルジーな感じがして即使いました!

7.走れあの街灯へ

アルバム収録曲でものすごく異色な曲だと思います、それまで四つ打ちのバスドラやブレイクビーツやらエイトビートやらで続いていたのが、いきなり速くなってディスイズテクノな感じになってます。

実を言うとアルバムに収録する事を考えず、おもクソ振り切って作った曲なんです。

宇和島には走り屋がちょいちょいおって、頭文字Dも流行ってたのもあって、ユーロビートみたいな曲がやたらと聞こえてきた時期がありました、大きいウーハー積んで、ドンドンと唸ってね、そういうサウンドシステムに合う感じというか、これ流しとったらテンション上がるで、ということで収録しました、でもちゃんと制限速度は守りましょう。

8.次は何処に行こうか

収録曲中1番悩まず直感で作った曲です。
曲が足りんとなり、でも悩んでもしゃあないので気楽な気持ちで作ったらこうなりました。
特段音がめっちゃ歪んでるみたいなのは無い…ああ、ビートは少し歪ませました。
自分はビート作ったり、フレーズ作ったりする他にも、プリセットで入ってる音やパターンは惜しげもなく使うんですけど、そのまんまではなくいろいろ加工したりなんやかんやしたりして使ってまして、その作業の結果ものすごく良かったものもあれば、思ったのと違うと思う時もあり、音楽って面白いなと思う瞬間でもあります、この曲に関しては、思てたんと違う!となる事は殆ど無かったと思います。

ダラダラ過ごしてさあどうします?的な感じの時に流れてる感じにしました、どうする?何処いく?何する?でかなり時間潰せる気がします、昔の自分はセッカチやったんで、早よ決めよやってなってましたが…。

9.まばゆい本町通りを走る

最後の曲なので、華々しく!というのがありますので、華々しい?曲だと思います、この曲はちょっと大変でした。
最初この曲はドラムンベースにしてたんですが、なんか全然ハマらんなと思ったんです。
スネアの音が多いのか、バスドラ鳴りすぎか、ハイハットもうちょっと減らした方がええんか、とか思ってたんですけど、何のきっかけかは忘れちゃったんですけど、もうドラムンベースやめようと思い、エイトビートにしました。
そしたら見事にハマりまして…。

本町通りは自分ん家の付近にある大通りで、酔っ払いながら歩いたり、散歩コースだったりして、夜は夜で街灯が照らされて、安心して帰れるし近くにコンビニあるから途中でコーヒー買ってタバコ吸えるわとかあって良いですね、でも緑色のレーザーライトで俺を照らした奴だけは思い出すだけでもむかつきますけども…。

この曲がキッカケでもうちょっとはっちゃけた曲作りたいと思いまして、完成後にe.pの制作に続いた訳です。

終わりに…

という訳で、ライナーノーツ如何でしたでしょうか、これを踏まえて聴いていただくと、より楽しめる気がします!

この頃はとにかく楽器の数が今よりかなり少ないんです、意図してそうした訳ではなく、その方が気持ちが良かったというのが大きいです。
今は楽器の数かなり増えましたけど…。

とにもかくにも、聴いてくれる人の何かしらのBGMになれば幸いです!

最後に、このアルバムのジャケットのギターは、thromaの加藤拓郎君のギターで、ライブの終わりに叩きつけられた後のギターを自分が撮ったものでして、「ギターの写真撮ってるんやけど、ジャケに使っていい?」と話して、快諾頂きました、ありがとう!!

©︎清水地区音楽製作所